しかし、世間では水を抜くと癖になってしまうので、抜かない方がいいという人もいます。はたして、どちらがイイのでしょう?
それは、何で水が溜まるかを考えれば見えてくるかもしれません。
では、何故、水が溜まるのでしょう?
膝の水は、「関節液」と言い、関節を包んでいる膜(関節腔)に入っていて、骨の先端の軟骨に栄養を与えたり、関節をスムーズに動かすための潤滑油のような役割をしています。
しかし、何かの原因で膝に過度のストレスがかかり、膝に炎症が強く起こると その炎症を抑えよう、冷やそうとして関節液が増量していきます。それが簡単に言うと水が溜まるというメカニズムです。
例えば、火傷をすると、水ぶくれしますよね?コレは、皮膚の温度が急激に高くなり水を出して皮膚を冷やそうという体の防衛反応です。素振りや靴擦れなどで出来る皮膚の水ぶくれも、皮膚が摩擦によって、熱をもち、これを冷やす為に水が溜まるというものです。これらと同じように、膝も炎症により熱をもつと水が溜まってしまい、あまりにも溜まると膝が曲がりにくくなったり、疼いたりしてしまうのです。
だから、水を抜いても炎症がある限りは繰り返し水が溜まるのです。
膝の炎症は、いろいろな原因(急性捻挫、慢性、リウマチ、手術後、細菌性・・)がありますが、スポーツなどにより捻挫し、靭帯を痛めた急性を除けば、大きな原因は、膝の捩れによる摩擦が多いと思われます。膝が歪むと、半月板が擦り減る原因にもなり、炎症のもとになります。また、腰の歪みも膝への体重のかかり方が均等でなくなり、膝を歪ませる原因になります。
膝の捩れと言っても人によって原因が違うので、それは、体の歪み全体とバランスをとっていかなくてはなりません。自分で出来る予防としては、
1.足を組まないで座る、横座りをしない が最も大事な事になります。気をつけましょう。
2.歩き方。ほとんどの人が、足の外側、しかも踵側で歩いているので、足の人差し指に力を入れて歩くようにする。
人差し指が一番膝のバランスをとる指だからです。親指に偏り過ぎてもいけません。
これらを気をつけることで、負担を減らしていけます。
では、痛みがある人はどう気をつけたらイイでしょう?
歩き過ぎて帰って来た時は、必ず、冷やすですね。湿布は薬なのであまり冷えないので、保冷剤やアイスノンなどで冷やす。もしくは冷たいタオルでもイイです。
バレーボールやバスケットなど、特に膝を使うスポーツの人は、痛みが無くてもアイシングを勧めます。痛めてからでは遅いし、膝は長引くので。野球のピッチャーは酷使した肩を冷やすのは常識になってますが、他のスポーツも一緒です。膝を使うなら、膝、テニスやゴルフなら肘、と酷使している場所は熱をもつのでアイシングすることで負担を減らす事ができます。実は、頭もそうです。受験や、悩み事で頭を使いすぎてる人は、頭も熱をもちます。頭も冷やす事で楽になります。
では、水が溜まってしまっている人はどうでしょう?
まずは、やはり冷やす。冷やしながら、歪みを治し、包帯などで真っ直ぐの状態で固定しておく事で、水が体に吸収され、早く治りやすくなります。水を抜いて薬を注射しても、一時的には炎症が治まりますが、あくまで症状を抑えているだけで、治っているわけではありません。
症状が抑えられてる分、動いてしまい、炎症を強く引き起こしてしまう可能性もあります。これを繰り返していると、体の防衛反応により、体は強固な関節にしようと軟骨ができたり変形していくのです。
変形性膝関節症は、変形したから痛いのではなく、痛いから関節を強固にしようと軟骨などができ、変形して曲がらなくなるのです。
野球選手の肘や肩にできる軟骨や、五十肩などの石灰化は同じようなメカニズムです。
現代人は、以前のように足を鍛える習慣が少なくなってしまいました。例えば、以前は、正座をすることも多かったですし、学校などでもぞうきん掛けでした。あれは足腰を鍛えるイイ機会だったのです。今やモップですから・・・。歩く機会も減り、階段もエスカレーターがほとんどです。本来、下りの方が膝への負担が多いんですが・・・。
では、どうしたらよいか?
・なるべく階段の登りは登るようにし、膝周りの筋肉を鍛える努力をする
・下りの階段は負担になるのでなるべく避ける
・歩きすぎた時、スポーツで酷使した時、アイシングをする
・痛いときは無理をしないで安静にしておく(治療に行けたら行く)
・姿勢を気をつける(座り方、歩き方)
これらを気をつけることで、将来、膝が痛くならないように意識して気をつけていきましょう

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包帯ってすばらしい
で 練習終わったら・・・冷やす場所多すぎて・・・
がんばって冷やします。膝に水溜まると困りますから